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研究論文
研究領域

リスクマネジメントシステムの実践的活用方法の開発

  • 上記5つの研究領域から構想される災害リスク軽減を目的としたソフト・ハード融合型リスクマネジメントシステムの構築に関する研究成果を基に、この種のシステムを実践的に活用するうえでの課題や環境についての検討を行い、積極的に活用するための戦略について検討する。

  • 2006年度は、上記の研究目的を遂行するために以下の研究を行った。
    @防災関連情報の共有化促進のためのHP開設および各種防災関連機関HPとのリンク
    A地域防災活動組織および災害ボランティア組織との連携活動
    B行政・ボランティア・市民の地域防災活動に関する情報の収集・整理
    C実践的防災まちづくりコーディネータ養成講座の開催
    D神奈川県西部地域の自主防災組織の実態に関するアンケート調査
    E防災福祉コミュニティーの組織づくりに関する調査

    本年度の研究成果として、@については、HP(URL:http://bousai-frontier.net)が稼動しており有益な防災情報を提供するともにソフトな防災対策を進める上で有益であるとの評価を得ている。A、Bについては、これらの連携・活動を通して神奈川県全域を対象として種々の防災活動組織との連携を図るとともにソフトな防災対策に関する情報の収集を行うことが可能となった。さらに活動を進め防災情報の共有化と人的ネットワークの構築を図り、有益かつ実践的なリスクマネジメントの検討を進める予定である。Cについては、さらに充実した講座やセミナーを定期的に開催し、ソフトな防災対策あるいは実践的コーディネータ養成に関するテキストの作成などを行っていく必要がある。D、Eについては神奈川県全域を対象として同様な調査を進めるとともに最近において大震災の教訓がある神戸市、長岡市、福岡市の防災対策や米国・メキシコ・スペイン・インドネシアなどにおける災害対策なども参考としてソフトな防災対策に関するリスク評価手法を検討する。
    以上の調査を実施し、概略的かつ客観的な「学術フロンティア研究プロジェクト・災害リスク軽減を目的としたソフト・ハード融合型リスクマネジメントシステムの構築に関する研究」において研究領域6での研究目的に向けて、基礎的な組織づくりが進展し、ソフトな防災対策に関するリスク評価手法の検討と実践的なリスクマネジメント手法の検討を進めることが可能となった。

  • 今後は、本年度までに実施された研究領域1から5までの研究成果を考慮しつつ、次年度以降に予定している研究計画に沿って有益な調査・分析と研究の推進を実施する必要があるものと考えられる。具体的には、以下のような研究内容について推進する。
    (1)実践的防災まちづくりに関する講座・セミナーの開催によるリスクマネジメントの構築
    (2)ソフトな防災対策とハードな防災対策に関する情報の収集・整理
    (3)ソフトな防災対策に関する地域防災情報の共有化と人的ネットワークの拡大と充実
    (4)ソフトな防災対策に関するリスク評価手法および実践的リスクマネジメント手法の検討

  • ■論文発表・学会発表等■

    1 2007年,国際会議,学会研究発表等

  • Enomoto, T., Yamamoto, T., Rahimian, M., Wen, Y.K., Navarro, M., and Vidal, F., Research on management system combined with hard and soft measures for seismic disaster risk reduction. 9th Canadian Conference on Earthquake Engineering Ottawa, Ontario, Canada, 26-29 June 2007.
  • 荏本孝久・山本俊雄・草野絢也,神戸市の防災福祉コミュニティーに関する基礎的研究 −組織づくりと地域特性との関連性に着目して−.2007年地域安全学会講演.
  • 山本俊雄・荏本孝久・田代恭平,自主防災組織の活動実態に関するアンケート調査 −神奈川県西部地域の9市町を対象として−.2007年地域安全学会講演.

  • 2 2007年2月,神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集.

  • 草野絢也,神戸における防災福祉コミュニティづくりと地域特性との関連性に関する研究.
  • 田代恭平,神奈川県西部地域における自主防災組織の活動実態に関するアンケート調査.

  • 3 2006年,国際会議,学会研究発表等

  • 荏本孝久・佐藤祐二・山本俊雄,地域防災力評価のための民間組織の実態に関するアンケート調査.2006年地域安全学会講演.

  • 4 2006年2月,神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集.

  • 佐藤祐二,地域防災力評価のための市民組織の実態と組織間の相互連携に関するアンケート調査.
  • 三浦 卓,阪神・淡路大震災における都市型大震災の復旧・復興プロセスに関する研究.
  • 林 辰彦,新聞記事による大規模自然災害における復旧・復興過程の分析.