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研究論文
研究領域

自然災害の最適リスク評価手法の構築

  • 防災対策を考えるうえで、災害の発生頻度とともに想定される被害の予測は、極めて重要である。この研究領域4では、各種構造部材や制振・免震デバイスの実験結果を踏まえた構造物の耐力評価や、実在構造物の地震・強風応答および起振機実験,地盤の振動測定等を踏まえた構造物の応答評価について、それぞれあるいは総体について有効なリスク評価法を検討する。また、最近では大規模な台風災害も多く発生しており、台風災害の発生頻度とともに想定される被害の予測が極めて重要である。なかでも耐風問題については、外装材関係の防災上、大きな問題である。強風災害を評価する場合、各地域の強風を定量的に評価することが先ず必要となる。その上で、強風と災害の関係を利用することによって、各地域のリスクが評価できる。本研究領域では神奈川県全域を取り上げ、ローカルな地形等を考慮した過去の台風時の強風マップ作成(被害と強風の関係を定量的に評価するため)、任意の再現期間での強風マップの作成の可能性について検討する。

  • 2006年度の研究として、耐震問題として以下の内容について研究を行った。
    (a)
    既存構造物のリスク評価では、地震時の倒壊評価が重要な位置を占め、建物の倒壊に直結する鉛直部材の鉛直力支持能力の評価が重要である。本年度は、昨年度に続き基礎的な検討として、地震直後に有する鉛直力支持能力に着目した実験を行い、構造物の倒壊リスクに関する基礎資料を提供することができた。

    (b)
    大地震を受けても、柱梁接合部の塑性歪が従来の構造に比べて大幅に低減され、接合部の損傷を回避することが可能となる特長を有する座屈拘束ブレースの性能については、低サイクル疲労、低降伏点鋼を用いた実験、拘束力の弱い試験体に関しての影響などについて、まだ完全には解明されていない。そこで、これらの試験体について実大実験を行い、その結果について、既往の研究より提案した性能評価式により、性能評価を行った。

    今後、(a)については、ある程度の水平力を受けたままの状態での残存軸耐力を求めることにより、より正確な破壊曲面を設定できるようにすることが必要である思われる。また(b)については、2005年度に引き続き、制振デバイスの一つである座屈拘束ブレースについて、低降伏点鋼を用いた試験体、製作精度を変えた試験体、強軸方向変形を完全に拘束した試験体等についての性能評価実験を行い、座屈拘束ブレースとしての有効性を確認する必要がある。これらの検討を踏まえて、有効なリスク評価法を検討する。

  • また、耐風問題としては神奈川県内の強風マップの作成に関して以下の研究を行った。
    (a)数値流体解析精度の検討(表計算ソフトの開発,ソフトの精度確認,改良)
    (b)ネスティングソフトの開発
    (c)風洞実験模型の作成

    今後は、(a) 風速測定。(b) 対象地域の数値解析として、風洞実験と同じ場所での数値流体解析。具体的には模型全体の領域から始めて、ネスティング手法により地上20mの評価が可能な領域までとして、実験結果と解析結果の比較により、数値流体解析の精度を検討する。なお、標高のデータは国土地理院50mメッシュデータを用いる。(c) 文献調査等に基づいて、必要な台風シミュレーションソフトの改良を行う。(d)神奈川県地方に接近、上陸した台風を横浜気象台での台風シミュレーションにより上空の風向・風速を求め、これらの結果と観測結果との比較により推定結果の精度を検討する。

  • ■論文発表・学会発表等■

    1 2007年国際会議,学会研究発表等

  • 岩松,島崎和司:RC造柱の地震後の残存軸耐力に関する研究.日本建築学会大会学術講演梗概集,C-2,pp.655-656,2006年9月
  • 村井正敏・村瀬亮・岩田衛:鋼モルタル板を用いた座屈拘束ブレースの実験的研究−芯材幅厚比と拘束力および断面ディテールの影響−.日本建築学会大会学術講演梗概集、2007.8

  • 2 2007年2月,神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集.

  • 武井 健,RC造柱の残存軸耐力に関する実験的研究 繰り返し加力の影響.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
  • 宮ア 剛,RC造柱の残存軸耐力に関する実験的研究 せん断スパン比による影響.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
  • 牛島 拓也,RC造柱の残存軸耐力に関する実験的研究 丸鋼柱の場合の挙動.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
  • 村瀬 亮:鋼モルタル板を用いた座屈拘束ブレースの実験的研究−芯材幅厚比と拘束力および断面ディテールの影響−.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
  • 藤森大基:低降伏点鋼を用いた座屈拘束ブレースの実験.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
  • 古味沙也佳:座屈拘束ブレースの低サイクル疲労性能.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
  • 片山秀明:拘束効果が低い座屈拘束ブレースの実験.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
  • 中村 慎:座屈拘束ブレースにおける剛性調節.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
  • 田所敦志:半円形鋼モルタル板を用いた座屈拘束ブレース.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.