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自然環境および社会環境に関わる情報抽出と情報統合化手法の構築
- 研究領域1では、2006年度の研究として以下の内容を実施した。
①神奈川県全域の地形・地質図のデジタル化と地盤区分図の作成
②神奈川県全域のボーリングデータの収集・整理とデジタル化
③神奈川県全域の建物分布データの収集・整理
④高密度常時微動観測結果の整理・分析による卓越周期分布
⑤社会環境関連の統計資料の収集・整理
⑥自然災害関連資料の収集・整理
2006年度の研究成果の概要として、①,②については、ほぼ作業が完了し、細部の見直しと修正を行う。またこれ等の結果に基づいて地盤震動に関する増幅率評価の精度を高めていくための研究が必要で、最終的にはシナリオ地震の設定により震度分布の期待値を算定する。③については、作業が完了した。今後、データの更新や建物属性データの整理・検討を継続的に進めていく必要がある。④については、GIS上で必要な情報を取得できるようデータベース化を進めた。神奈川県東部(横浜市周辺地域)の測定を継続し、今後秦野盆地地域においても常時微動測定を追加する予定である。⑤については、収集・整理したデータに基づいて自然災害のリスク評価を進めるために詳細な分析を行う必要がある。⑥については収集・整理したデータの分析によりリスク評価を実施するために方法論を検討する。
以上の調査を実施し、概略的かつ客観的な「学術フロンティア研究プロジェクト」災害リスク軽減を目的としたソフト・ハード融合型リスクマネジメントシステムの構築に関する研究の体系的な把握に向けて、基礎的なデータの整理が進展し、リスク評価とリスクマネジメント手法の検討を進めることが可能となった。
- 今後は、次年度以降に予定している研究計画に沿って有益な調査・分析と研究の推進を実施する必要があるものと考えられる。
■論文発表・学会発表等■
1 2007年国際会議,学会研究発表等
- Enomoto, T., Yamamoto, T., Kikuchi, T., Navarro, M., and Vidal, F. Development of shaking force generator for estimation of dynamic characteristics on building and soil structure. Asociación Española de Ingeniería Símica Girona, 8-10 mayo 2007.
- Yamamoto, T., Enomoto, T., Sugimoto, M., Navarro, M., and Rahimian, M., Investigation on applicability of H/V spectrum obtained from microtremors to seismic microzoning study. 9th Canadian Conference on Earthquake Engineering Ottawa, Ontario, Canada 26-29 June 2007.
- Sugimoto, M., Yamamoto, T., and Enomoto, T., Assessment on ground structure and ground shaking characteristics using by microtremor observations in the west belt, Yokohama city. 9th Canadian Conference on Earthquake Engineering Ottawa, Ontario, Canada, 26-29 June 2007.
- Wen, Y.K., Enomoto, T., Sun, L.M., and Yamamoto, T., Seismic excited vibration control of cable-stayed bridge during construction by using TMD and ATMD. 9th Canadian Conference on Earthquake Engineering Ottawa, Ontario, Canada, 26-29 June 2007.
- Garcća-Jerez, A., Navarro, M., Alcalá, F.J., Luzón, F., Pérez-Ruiz, J.A., Enomoto, T., Vidal, F., and Ocaña, E., Shallow velocity structure using joint inversion of array and h/υ spectral ratio of ambient noise: The case of Mula town (SE of Spain). Soil Dynamics and Earthquake Engineering, 2007.
- Navarro, M., Vidal, F., Enomoto, T., Alcalá, F.J., Garcća-Jerez, A., Sánchez, F.J., and Abeki, N. Analysis of the weightiness of site effects on reinforced concrete (RC) building seismic behaviour: The Adra town example (SE Spain). Earthquake engineering and structural dyanamics, 2007., in press.
- Garcća-Jerez, A., Luzón, F., Navarro, M., Enomoto, T., Pérez-Ruiz, J.A., An alternative method for determination of Rayleigh and Love wave velocities from microtremor records in a single circular array without central station. Geophysical Research Abstracts, Vol.9, 02286, 2007.
- 山本俊雄・荏本孝久,微動観測による松本盆地の地盤振動特性の検討 -その1 東部地域について-.日本建築学会大会学術講演梗概集(九州),2007(予定).
- 橋本光史・栗山利男・蔦野雅敏・荏本孝久・山本俊雄,地域の地形に対応した地震防災マップの作成 -(その2)微地形区分に基づく小田原市の50mメッシュ震度マップ-.
- 落合 努・山本俊雄・露木延夫・荏本孝久,横浜市青葉区における高密度微動観測による地盤振動特性の検討.日本建築学会大会学術講演梗概集(九州),2007(予定).
- 荏本孝久・堀川康司・小林大悟・釘宮康郎・沈 堅貞・山本俊雄,神奈川県を対象としたデジタル地盤区分図作成に関する研究 -その1.研究プロジェクトの目的と概要-.日本建築学会大会学術講演梗概集(九州),2007(予定).
- 堀川康司・小林大悟・釘宮康郎・沈 堅貞・山本俊雄・荏本孝久,神奈川県を対象としたデジタル地盤区分図作成に関する研究 -その2.地形分類図と表層地質図のデジタル化-.日本建築学会大会学術講演梗概集(九州),2007(予定).
- 小林大悟・釘宮康郎・堀川康司・沈 堅貞・山本俊雄・荏本孝久,神奈川県を対象としたデジタル地盤区分図作成に関する研究 -その3.デジタル地形・地質図(50m×50mメッシュ)の作成方法-.日本建築学会大会学術講演梗概集(九州),2007(予定).
- 釘宮康郎・堀川康司・小林大悟・沈 堅貞・山本俊雄・荏本孝久,神奈川県を対象としたデジタル地盤区分図作成に関する研究 -その4.凡例の統合化によるデジタル地形・地質図の作成結果-.日本建築学会大会学術講演梗概集(九州),2007(予定).
- 青木保夫・菊池俊男・文 永奎・沈 堅貞・山本俊雄・荏本孝久,小型起振機を用いた構造物の振動特性の推定に関する研究 -その1.リニアモーターを利用した起振機の開発と性能評価-.日本建築学会大会学術講演梗概集(九州),2007(予定).
- 文 永奎・菊池俊男・青木保夫・沈 堅貞・山本俊雄・荏本孝久,小型起振機を用いた構造物の振動特性の推定に関する研究 -その2.起振機実験による建物振動特性の推定結果-.日本建築学会大会学術講演梗概集(九州),2007(予定).
2 2007年2月,神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集.
- 横尾大樹,異なる地盤構造における微動アレイ探査によるS波速度構造の推定に関する研究.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
- 松原由尚,GISを活用した神奈川県における地震被害危険度評価に関する基礎研究.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
- 池田真一,横浜市における2次元不整形地盤構造の地震動伝播特性に関する研究.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
- 中山えみ,地盤情報データベースを用いた増幅率評価による地震動予測に関する研究 -神奈川県小田原市を対象として-.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
- 渡辺裕也,基礎周辺の相互作用インピーダンスを考慮した神奈川大学23号館RC免振建物の地震応答解析.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
- 堀地保孝,横浜市青葉区における高密度微動観測による地盤振動特性の検討.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
- 佐藤宏樹,微動観測による松本盆地の地盤振動特性の検討 -松本盆地西部地域について-.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
- 布川裕一,神奈川県央地域のGISを用いたボーリングデータベース統合化と活用に関する研究.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
- 石井 匠,短周期微動アレイ探査法による地盤構造の推定とその有用性に関する研究.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2007.2.
3 2006年国際会議,学会研究発表等
- Navarro, M., Vidal, F., Enomoto, T., Mourabit, M., Ocaña, E., Feriche, yM., Análisis conjunto de los terremotos de Alhucemas (Marruceos) de 1994 y 2004. Joint analysis of the 1994 and 2004 Al Hoceima (Morocco) earthquakes. 5th Asamblea Hispano-Portugusa de Geodesia Y Geofisica, Sevilla, 2006.
- Navarro, M., Garcća-Jerez, A., Vidal, F., Enomoto, T., Pérez-Ruiz, J.A., Alcalá, F.J., Luzón, F., Yamamoto, T., and Iwadate, T., Characterísticas del Movimiento del Suelo a partir de Medidas de Vibración Ambiental y Registros de Aceleración.
- Estudio de la estructura superficial de la ciudad de Mula (SE. de España) usando medidas de ruido ambiental mediante medidas de array y el método del cociente espectral horizontal-vertical.
- 落合 努・杉本 実・露木延夫・山本俊雄・荏本孝久,横浜市港北区を対象とした高密度微動観測による地盤振動特性の検討.
- 山本俊雄・荏本孝久・杉本 実・露木延夫,神奈川県西部地域における地盤情報デジタルデータベースの統合化.
- 蔦野雅俊・山本俊雄・荏本孝久,不整地な地盤・地形の特徴が地震動特性に与える影響に関する研究.
- 山本俊雄・荏本孝久・石井 匠,2004年新潟県中越地震による被災地域の地盤振動特性の検討.
- 荏本孝久・石井 匠・山本俊雄・杉本 実,微動および強振観測記録によるH/Vスペクトル比特性の比較検討.
- 落合 努・杉本 実・露木延夫・山本俊雄・荏本孝久,表層の地盤情報抽出を目的とした高密度観測による地盤振動特性の検討.
- 石井 匠・山本俊雄・荏本孝久,微動アレイ観測による表層地盤構造の推定に関する研究.
- 栗山利男・荏本孝久・山本俊雄,地域の地形に対応した地震防災マップの作成 (その1)微地形区分を用いた50mメッシュでの震度マップ.
- 荏本孝久・山本俊雄・石井 匠・杉本 実・M.ナバロ,横浜市における常時微動および強振動観測記録によるH/Vスペクトル比特性の比較検討.
4 2006年2月,神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集.
- 儀間周一郎,ハイブリットな震源特性を考慮した入力地震動特性の評価.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2006.2.
- 佐藤雄太,GISを活用した川崎市・横須賀市における地震被害危険度評価に関する基礎的研究.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2006.2.
- 三澤輝剛,微動観測による松本盆地の地盤振動特性の検討.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2006.2.
- 須田 守,横浜市の高密度強振観測記録を用いた地盤振動特性の検討.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2006.2.
- 蔦野雅俊,地盤-建物の動的相互作用解析による入力損失と逸散減衰の評価.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2006.2.
- 樋口康美,地盤情報データベースを用いた増幅率評価による地震動予測に関する研究.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2006.2.
- 矢野公敏,不整地な境界条件を有する地盤・地形の2次元解析による地震動特性の評価.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2006.2.
- 澤村優作,地盤-建物相互作用を考慮した免震RC造建物の振動解析.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2006.2.
- 新倉直明,微動アレイ観測による表層地盤構造の推定に関する研究.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2006.2.
- 大田耕介,2004年新潟県中越地震による被災地域の地盤振動特性の検討.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2006.2.
- 藤井彰一,横浜市港北区の微動観測による地盤振動特性.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2006.2.
- 後藤篤司,神奈川県西部地域におけるボーリング資料のデジタルデータベースの統合化とその視覚表示.神奈川大学工学部建築学科,卒業研究・修士論文梗概集,2006.2.
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